相続に関するご相談をいただきました。
【今回のケース】
被相続人:父
相続人:母・息子1人
息子が、行方不明(所在不明)。
相続は、原則として 相続人全員で行う 必要があります。
したがって、息子が行方不明の場合、そのままでは相続手続き(遺産分割協議など)が進められません。
【手続きの流れ】
① 戸籍の収集と相続人の確定
まず、父の出生から死亡までの すべての戸籍 を取得し、相続人が誰かを正式に確定します。
② 息子の所在確認
可能な限り息子の所在を調査します。
・最後の住所地への問い合わせ
・親族・知人への聞き取り
・住民票の附票・戸籍の附票の確認
・SNS・郵便など
※「行方不明」といっても、まずは所在調査をした記録を残すことが重要です。
③ それでも見つからない場合の法的手続き
【A】不在者財産管理人の選任(民法第25条〜)
行方不明の息子がまだ生きている可能性がある場合は、家庭裁判所に「不在者財産管理人選任申立」を行います。
申立先:被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所
申立人:母(または他の利害関係人)
管理人候補者:通常は弁護士など第三者
選任後、その「不在者財産管理人」が息子の代理人として遺産分割協議に参加できます。→これにより、相続手続きを進めることが可能になります。
【B】7年以上行方不明の場合:「失踪宣告」(民法第30条)
息子が 7年以上行方不明 で、生死が不明の場合には、「失踪宣告」を家庭裁判所に申立てが可能です。
裁判所が失踪宣告を出すと、法律上、行方不明者は死亡したとみなされます。
その結果、息子が「死亡」と扱われる → 息子の相続分は息子の相続人(例:息子に配偶者・子がいればその人たち)に引き継がれます。
息子に相続人がいない場合は、母が単独で相続することもあります
④ 遺産分割協議・相続登記など
上記いずれかの方法(不在者財産管理人経由 or 失踪宣告後)で、全員が揃った形にしてから、遺産分割協議を行い、協議書を作成し、相続登記や預貯金解約などの相続手続を行います。
【当オフィスに依頼する実際の流れ】
①行政書士に相談・依頼
被相続人と行方不明者の状況を説明
戸籍や財産関係資料を提示
②行政書士が調査・書類作成
相続関係説明図
財産目録
家庭裁判所への「不在者財産管理人選任申立書」下書き
③家庭裁判所へ本人または弁護士経由で申立
行政書士が作成した申立書をもとに提出
申立自体は本人(母)名義で行う
④不在者財産管理人が選任された後
行政書士が遺産分割協議書を作成
相続登記や預金手続きの準備
⑤登記は司法書士、必要に応じて弁護士連携
行政書士が中心になって書類整理・他士業との連携を行う
相続に関するご相談やお悩み事がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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