相続に関するご相談をいただきました。
【ケース】
相談者は、被相続人の妹。
相談の主旨は、相談者が管理している遺産を支払いなどに使える範囲について
一般論・原則として、
・遺産は被相続人(亡くなった方)に関係する支払いにのみ使えます。
・管理している人(相続人・遺産管理人など)の個人的な支払いには使えません。
遺産から支払える代表例
次のようなものは、通常「遺産からの支払い」が認められます。
1.被相続人の債務
生前の借金
未払いの家賃・医療費・税金 など
2.葬儀費用
通夜・葬式・火葬・埋葬に通常必要な範囲
3.遺産の管理・保存に必要な費用
不動産の固定資産税
管理費・修繕の最低限の費用
遺産管理人の必要経費 など
※「必要性・相当性」が重要です。
✖ 遺産から支払えないもの
1.相続人個人の生活費
2.相続人自身の借金
3.相続人のための支出(学費、娯楽費など)
4.相続人間での分配(遺産分割前に勝手に使うこと)
日当・交通費は遺産から出せるか?
① 交通費について
原則として認められやすい。
次の条件を満たせば、遺産から支払える可能性が高いです。
・被相続人の遺産管理のために必要だった
役所手続き
不動産確認
葬儀・納骨・保全行為 など
・金額が社会通念上相当
・実費であることが分かる(領収書・記録)
👉 実費精算として扱われます。
② 日当(労務対価)について
⚠️ かなり慎重に扱われます
日当は「報酬」にあたるため、
・法律上の根拠(委任契約・裁判所の選任)
・相続人全員の同意
がない場合勝手に遺産から支払うのは原則NGです。
例外的に認められる可能性
・管理行為が不可欠で、無償では不合理な場合
・後日、
相続人が現れて同意した
家庭裁判所が相当と判断した
この場合でも、
👉 あとから清算・請求する形が安全です。
実務上の安全な対応
① 今は「立て替え」にしておく
遺産から直接日当を引かない
交通費も含めて一旦自分で立て替え
② 記録を必ず残す
・日付
・何のために動いたか
・所要時間
・交通費の領収書
・日当算定の根拠(時給〇円×〇時間 など)
③ 家庭裁判所への申立てを検討
相続人が所在不明なら、
・相続財産管理人の選任申立て
・または清算時の費用・報酬請求
をすると、
👉 日当相当額が正式に遺産から支払われる可能性があります。
まとめ
・交通費:必要・相当・実費ならOKになりやすい
・日当:原則NG。裁判所や相続人の同意が必要
勝手に差し引くと「不当利得」「横領」と言われるリスクがあります。
今は立替+記録保存が最も安全です。
相続に関するご相談のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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